自転車のルールとマナー

私は自転車のプロでもなく法律のプロでもない一介の自転車乗りに過ぎないのですが、自転車に乗って走って得た様々な経験*1を基に、自転車のルールとマナーについて思うところをまとめてみました。

自転車のルールとマナーとは?

まず、話の大前提として、自転車のルール、マナーとはそれぞれ何でしょうか。
ルールとは道路交通法等の法令や規則で定められた決まりごとです。交通ルールから車両の規格、道路の構造まで実に多様なルールがありますが、これを理解して守ることが大事です。
マナーとはルールの枠内で他人に迷惑を掛けないため、互いに気持ちよく道路を使うための心遣いのことです。ルールを守っていれば何をしても良いと言うことではないですよね。歩行者も自動車も二輪車も自転車もお互いに迷惑を掛けず互いに気持ち良く道路を使えるよう心がけましょう。

最近自転車のルールやマナーが問題になっているがその原因は?

最近自転車のルール違反やマナー違反が問題視される機会が増えています。では何が原因でそのようなルール違反やマナー違反が繰り返されているのでしょうか。
原因となる問題点としては以下に挙げるようなものがあると思います。

  • ルールがそもそも自転車を明確に位置づけていない
  • ルールを周知できていない(周知する機会が無い)
  • 自転車が走りやすい道路が整備されていない
  • ルール違反の取り締まりが皆無に等しい(現状は悪質なものに限られる)
  • 自分のこと、目先のことしか考えない人が多い
  • そもそも道路は他の人と共用して使うものだという認識が欠けている
  • 移動中に他の作業をすることが習慣化している

大まかには問題点は制度上の問題(上4つ)と、自転車の運転者の問題(下3つ)の2種に分けられますね。
現状、制度上の問題として、自転車は自転車は道路交通法上は軽車両の一種としか位置づけられておらず、位置づけが極めて曖昧です*2。車両の一種であるため車道の走行を原則としながらも歩道上を走行することがルール上条件付きで認められ、さらに一部のルールや道路は自転車の歩道走行を前提として作られています。主として自転車は歩道を走るのか、他の車両と共通の車道を走るのか、それとも自転車道や自転車レーンなどの自転車専用の部分を走るのかを法律上はっきりさせた上で、それに見合ったルールや道路を作っていただきたいものです。
とは言え、制度面での理想ばかり語っていても何の解決にもなりません。重要なのは現在の交通ルールと道路でいかにして安全かつ快適に自転車を利用できるかということです。私はそのためには自転車に乗る人の意識改革が必要なのではないかと思っています*3

自転車に乗る上で意識すべきこととは?

私はあまり〜すべきということは言いたくはないのですが、それでもやはりいくつか自転車に乗る上で意識しなければならないことというのはあると思います。以下簡単に説明します。

まずは自転車のルールを知ろう

自転車は歩行者ではありません。車両の一種です。ということは自転車には歩行者とは異なるルールがあるということです。自転車に乗るのであれば、それを知ろうとしてください。厳しいようですが、それが出来ないのなら自転車に乗る資格はありません。

道路はみんなのもの

道路を利用するのは自転車だけではありません。歩道には歩行者もいますし、車道には自動車や自動二輪車、原付自転車などもいます。道路はこうした様々な利用者が共用するものです。
自分だけが良ければ良いという考えも捨てましょう。あなたが身勝手な行動を取れば、周りの人は迷惑するのではないですか。他の人の立場に立って自分を見たときに迷惑だと感じるようなことは止めましょう。

互いに譲り合って気持ちよく道路を使おう

一つ上の項目とも関連しますが、自動車は道路のスペースを奪い合う敵ではありません。スペースを共有する仲間です。ですから敵視してはいけません。頑なにならず譲れるところは譲りましょう。
コミュニケーションも重要です。こちらが何をしたいのかが相手に伝わるよう合図を出し、譲ってもらったら一礼を忘れずに。その際のアイコンタクトも大事です。

余裕を持とう

自転車に乗っていて余裕のない自転車乗りをよく見かけます。はっきり言ってしまえば、そういうのってみっともないです。何をそんなに急いでいるのでしょうか。例えば、信号無視。信号無視してもそれほど所要時間は変わらないですよね。事故を起こすリスクを冒してまで急がなければならないのでしょうか。急ぐならば予め余裕を持って出れば良いのではないでしょうか。

事故を起こしてからでは遅い、事故を起こす前に事故のリスクを理解しておこう

先程も触れたように自転車は車両です。ということは事故を起こした場合の扱いは原付自転車や自動二輪車などと大差はありません。ですから、人身事故を起こして相手に障害が残ったり相手が死亡したりすれば当然多額の賠償金を支払わなければならないのです。当然ルール違反が発覚すれば過失割合も高くなりますし、それが悪質であれば交通違反赤切符を切られることにもなります*4

運転中は目、耳、頭を駆使して周りのものに気を配ろう、ながら運転は止めよう

運転中、目視で周りを確認するのももちろん大事ですが、それだけではなく耳で音を聞くことや(相手は何を考えているのか推測する、危険を予測するなど)頭で考えることも大切です。そのため、運転中は音楽を聴いたり余計な考え事をしたりしないで運転に集中しましょう。音楽を聴いたり考え事をしたりするのは自転車から降りた後ですれば良いのです。
メールや携帯電話も同様です。携帯電話をいじりながら自転車に乗っている人を時々見ますが、そのメールや電話は本当に今しなければならないことなのでしょうか。もしそうなら、安全な場所に止まってやりましょう。そうでないなら後でやりましょう。

*1:クロスバイクに7年ほど乗った後、今年からロードバイク乗りになりました。

*2:加えて、車両通行帯や路肩の概念や路肩の交通ルールが曖昧なのも道路交通法の問題点だと思います。

*3:残念ながら、道路を利用する歩行者、自動車、自動二輪車、原付、自転車の中で最も意識が低いのが自転車だと思います。

*4:自転車には反則金制度が無いのでいきなり赤切符交通違反)での検挙となります。